JCOGの役割
私たちJCOGは、がん患者さんの治癒率の向上を目指して発足した、多施設共同研究グループです。有効な治療法を開発し、これを適正な臨床試験による評価を行うことにより、様々ながんの患者さんに対する標準治療(科学的根拠に基づいて第一に推奨される最善の治療)の確立を目的として研究活動を行っています。この研究活動を通して、各種がんの治癒率の向上とがん治療の質の向上を図ることを目標としています。
全国約190の医療機関の計約700の診療科が所属しており、多くの医師、研究者、医療従事者らが参加・協力しています。
研究者主導型 多施設共同臨床試験
適切にがんを治療するには、多くの抗がん剤の中からそのがんにもっともよく効く適切な組み合わせを見つけ出さなければなりません。また、抗がん剤と手術療法を組み合わせる方がよい場合や、抗がん剤と放射線治療を組み合わせる方がよい場合もあります。 がんに対する「より優れた治療法」を開発するには、考案された新しい治療法を実際に臨床の場で、患者さんに参加いただいて、科学的かつ倫理的に評価する必要があります。これを「臨床試験」と呼びます。 実際にどの薬を組み合わせたらよいか、どの治療法と組み合わせたらよいかなどは、それぞれのがんの専門医によって検討されます。そして、研究に参加している全国の医療機関において、共通の試験実施計画書(プロトコール)に基づいて患者さんの治療が行われます。このように、臨床医によって計画、実行される臨床試験を研究者主導型臨床試験と呼びます。
さらに詳しい解説は「臨床試験について」をご覧ください。
臨床試験を安全かつ円滑に遂行するために
以上の様な多施設共同臨床試験を安全かつ円滑に遂行するために、JCOGでは臨床試験に関わる医療従事者を対象に講習会や勉強会を開催しています。
また、有効性の評価はもちろんのこと、「臨床試験を行った際に報告される有害事象(副作用)情報の収集と分析」「臨床試験を行っている施設への訪問監査」を通して、臨床試験が試験実施計画書(プロトコール)や倫理指針に従って適切に遂行されているかどうかもチェックしています。